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【単位のひみつ】kgが変わる!?
- 03_自由研究
2019年5月20日から、「kg」の定義が変わります。
最初の「1kg」の定義は「水1Lの質量」でした。
分かりやすい。
しかし、これをもっと厳密に定義するために、「国際キログラム原器」というものが作られます。
1799年に白金製(Pt)のものが造られ、1889年からは白金(Pt)90% & イリジウム(Ir)10%の合金製の「国際キログラム原器」が「キログラムの定義」として使われてきました。
(写真はwikiより)
この「国際キログラム原器」は、フランスのセーヴルにある、国際度量衡局(BIPM)に、2重の気密容器で真空状態で厳重に保管され、3人の鍵保有者が集まらない限り、保管された部屋に入ることも出来ません。
とは言え、これでも、まだ定義として厳密とは言い難いため、新しい定義が模索されてきました。
そして、2018年11月16日の国際会議で、新しい定義が定められ、2019年5月20日をもって発効するのです。
ではその新定義とは…
「キログラムはプランク定数の値を正確に6.62607015×10のマイナス34乗ジュール・秒(Js)と定めることによって設定される」
…? 「プランク定数」?
光子の持つエネルギーεは振動数 ν に比例し、その比例定数が「プランク定数」hということなので、
ε=hν と書けるということになります。
で、このhを定めると、キログラムが設定できる…?
えっと、まぁ、難しい話を脇に置くと、今までは、「1kgとは何ですか?」「キログラム原器の重さです」となっていたのが、「光子のエネルギー量で言えばこれこれです」と、物理的に普遍な値を用いて説明できるようになったのです。
とは言え、だからと言って、我々の生活に影響するような変化があるわけではありません。
2Lのペットボトルなら約2kg、500mlなら約500gということで問題ありません。
しかし、定義をしっかりすることで、もっと厳密な測定、また、エネルギー量に換算する形で利用することが出来るようになります。
しかも世界中で。
5月20日は、メートル条約が初めて締結された「世界計量記念日」です。
こうやって正しく「定義」する方々がいるので、我々も安心して様々な単位を使うことが出来るのです。
新しい単位の誕生をもっと詳しく知りたい方は、国際度量衡委員である臼田先生のコラム(こちら)か、下記の新書をどうぞ。
様々な「単位のひみつ」を調べてみるのも面白いと思います。
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