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【原爆の日】科学と倫理

    理科,社会,09_その他
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8月6日、9日は日本に原爆が投下された日です。
「科学」の歴史について考える際、「兵器」の話を避けて通るわけにはいきません。


【日本に原爆が落とされた日】


1945年8月6日には広島に、9日には長崎に、原爆が投下されました。
アメリカによる人体実験を兼ねた非人道的な核使用でした。

Nagasakibomb.jpg
チャールズ・レヴィ - U.S. National Archives and Records Administration, パブリック・ドメイン, リンクによる


一部の人は主張します。

「原爆は戦争の終結を早めたのだ」と。

また、一部の人は、政治的パフォーマンスに利用します。

しかし、本来、「主張」や「パフォーマンス」の前に、

非人道的兵器の存在そのものについて、その被害の影響を鑑みて正しいのかどうか、ちゃんと議論されるべきです。


現在、非人道的兵器については、規制される流れにあります。


もちろん、規制されたからと言って、どこの国も開発しない、という保証にはなりえません。

しかし、規制がある、ということそのものが、抑止力になることを期待するところではあります。



【科学と「戦争」】


「科学」について語る際、「兵器」そして「戦争」の話を避けて通るわけにはいきません。

今でも一部の方々は、「戦争が科学の発展を促した」という言説を主張します。
しかし、これは「戦争や兵器の開発にお金がかけられた」ことの結果でしかなく、
短期的に結果の出にくい学問的研究よりも、そちらが優先されたということに過ぎません。

倫理性は、「科学」を探求”する側よりも、
むしろ、利用”する側に求められることに
我々は自覚的でなければなりません。



【科学と「正義」】

「正義」は危うく脆いものです。

戦争を主導するものは、仕掛ける側であっても、「正義」を主張します。

そのことに自覚的でなければなりません。


自覚的に相対化、客観化をした上で、懐疑的に考えること。
そうした上で、自分がどのような倫理性をもつのか、
どう判断するのか、ということがとても重要です。



【理科実験教室として】


理科実験教室は、政治的な主張を教える場ではありません。

理想論と現実論は時として相いれないことがあります。
しかし、理想とは何か、ということを考えることで、現実との妥協点が見いだされるのであって、
決して理想論に意味がないわけではないのです。

色の判断をするのに、白か黒かでは決めることが出来ません。
白黒写真でさえ、濃淡の差があるからこそ、景色を写し取ることが出来るのです。

白が正解、なのではなく、白も黒もあり、黄も赤も緑もあることを知った上で、
自分が何を選ぶか、が大事なのです。

将来世代に責任のある身として、答えを押し付ける気はありません。

むしろ、様々な学びと経験を重ねていく中で、
倫理的・論理的に自分が正しいと思える判断が出来る、
そんな生徒に育ってほしいと思っています。


    8月6日午前8時15分,原子力爆弾,原爆の日,広島

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