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【姫路動物園】キリンの赤ちゃん誕生!

    05_見学・おでかけ
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5月20日、姫路市立動物園さんにいるキリンのカップルに、子どもが産まれました!


【姫路市立動物園でキリンの赤ちゃん誕生!】



姫路市立動物園さんには、オスキリンの「コウスケ」くん(16歳オス)と、メスキリンの「キキ」ちゃん(6歳メス)がいます。
キキ」ちゃんは、2018年に姫路セントラルパークから来園、2頭でのんびり歩く姿を見せてくれていました。

 

左が2019年、右が2021年に撮った写真です。
右の写真のキキちゃんのお腹の中には、赤ちゃんがいた、ということになりますが、さて、2枚を見比べたら分かりますでしょうか。

また、コウスケくんの脚には、ハートマークの模様があることでも有名です。



姫路市立動物園さんに行くことがあれば、是非探してみてくださいね。



【「キリン」の名前の由来】


キリン」は英語で言うと「giraffe」(ジラフ)。
アラビア語の「速く歩くもの」から来ているそうです。

一方「キリン」という名前は、中国の伝説の霊獣「麒麟」から来ています。

KIRIN|キリン」さんのマークで有名ですよね。

  ↑ キリンさんのロゴマーク
  → キリンさん所蔵の「麒麟」コレクション

共に「聖獣麒麟|ヒストリークルーズ|キリン歴史ミュージアム」より



でも、この「麒麟」の姿は、私たちの知っている「キリン」とは違います。
では、「キリン」はいつ「麒麟」と呼ばれるようになったのでしょうか。

麒麟」は太平の世、王が仁のある政治を行うときに現れるとされます。

15世紀、中国の明に、現在のバングラディシュ-インドにまたがるベンガル地方にあった「榜葛剌」という国から「ジラフ」が贈られ、皇帝の徳を称える意味も込めて「麒麟」とされ、絵も描かれました。

麒麟 明人 画麒麟沈度頌
国立故宮博物院(台湾)蔵 

※図はwikiより


(↓故宮博物院による解説)

 『明史・成祖本紀』には、永楽12年(1414)、榜葛剌(現在のバングラデシュとインド東部の西ベンガル州)の使節が
「麒麟」を献上したとの記載がある。

「麒麟」は伝説上の神獣だが、明は動物のキリンも「麒麟」と呼んでいた。

永楽6年(1408)に入貢後、榜葛剌と中国の交流は密接なものとなった。

遙か遠方の国からの進貢という喜ばしい出来事を記念するため、翰林院の沈度(1357-1434)が「瑞応麒麟頌」を書き、
その頌詞を宮廷画家が描いた絵図に書き入れさせ、皇帝はその絵を政治的なプロパガンダを目的として臣下に賞賜した。

これが「キリン」が「麒麟」と呼ばれていた証拠ではありますが、現代中国語では「キリン」は「長頸鹿」と呼ばれています。
漢字で見ると、この方が、姿を的確に表しているように思えますね。

一方で、日本では「麒麟」からとった「キリン」の名前が定着しています。

これは、日本で初めて「キリン」を一般公開した、上野動物園の影響が大きかったと考えられます。
この時に「麒麟」の名を持ってきたのが、当時の石川千代松園長だとも言われています。

キリン」が「麒麟」と呼ばれていた歴史も含め、深い教養と知識がないと、
キリン」がそのまま「ジラフ」と呼ばれるようになっていてもおかしくなかったと思います。

しかし、日本では江戸時代に桂川甫周という蘭学者が、「ジラフ」と「麒麟」が同一のものであることを読み解き、キリンの絵を描いていました。
おそらくこういった知識も含めた知の集積が「ジラフ」を「麒麟」と呼ばせ、その名で広く公開され人気を博したことで、「キリン」の名が定着したということでしょう。

なお、上野動物園のサイトによると「1907(明治40)年、ハーゲンベック動物園よりキリンが到着」とあります。
この時にやってきた「ファンジ」と「グレー」は1907年の4月に公開され、大人気となりました。
(しかし、日本の寒さは厳しく、翌1908年の1月と3月には2頭とも命を失ってしまいました。
国立科学博物館にある「ファンジ」の剥製については、下で紹介する『キリン解剖記』でも触れられています。)

ちなみに、台湾では「麒麟鹿」と呼ばれますが、これは上記の絵を典拠にしたか、あるいは日本からの逆輸入の可能性もあるかもしれません。
なお、韓国語でも「麒麟」なのだそうです。


【さらにキリン!】


兵庫県では、神戸市立王子動物園姫路セントラルパーク でもキリンに会うことが出来ます。

神戸市立王子動物園では、2020年7月に赤ちゃんが誕生しています。
キリンと同じ目線に立てる「きりんテラス」もありますよ。

また、姫路セントラルパークでは「アミメキリンのえさやり」体験もあります。




キリンの長い舌や、3本の角(「キリンの角は5本」という説もありますが、下の本では3本と説明されています)など、間近で確認してみましょう!

さて、キリンについて語る上では、以前「【BookReview】『キリン解剖記』郡司芽久 」でも紹介したこの本は外せません。

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キリン解剖記 [ 郡司芽久 ]
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キリンに対する愛があふれているこの本は、「夢を叶える」ことの素晴らしさも伝えてくれます。

そして、最近気になっている本がこちら。


小さな仔をもつキリンのお母さんたちは、集まって「保育園」を作り、ともに仔育てをする。見守り役の分担、ママ友関係、授乳をめぐる攻防、仔を失ったお母さんはどうなるのか…そして繋がれていくキリンの命。ミオンボ林の片隅でみつめたキリンの親仔たちの物語を、日本で現在ただ一人の野生キリン研究者が瑞々しく描き出す。」(本の紹介より)


キリンは本当に不思議な生き物です。

どんな進化をたどり、どんな風に人間と関わってきたのか。
実際のキリンは、いったいどんな生態をしているのか。

私たちが動物園で見ることの出来る動物の生き方は、ほんの一部でしかありません。
赤ちゃんキリンを見ながら、そんなことを考えてみても面白いかもしれません。

  
(上記写真は南アフリカにて森田孝が撮影)
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