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【映画ドラえもん×おススメ本】「のび太の新恐竜」と進化

    03_自由研究,07_おすすめ本・映画

2020年の映画「ドラえもん」は...『のび太の新恐竜』!

 

映画「ドラえもん」の第1作『のび太の恐竜』が公開されたのは、1980年。

(下記のリンクは2006年版です)

それから40年が経ち、「恐竜学」は大きな進展を見せました。 

恐竜図鑑を見ても、私たちの子ども時代には見つかってもいなかった新種の恐竜が数々記載されています。

その中でも、大きな進展は、羽毛恐竜の存在が多く確認され、「」と「恐竜」の関係についての研究が進んだことでしょう。


今回の『のび太の新恐竜』では、これらの知見が活かされ、解釈に取り込まれて、新しい物語が紡がれていました。
 


 物語自体も、映画「ドラえもん」の王道で、ハラハラドキドキ。

5人が力を合わせて活躍するシーンもありますし、謎のキャラの登場も物語を引き締めます。

しかし、何より、「恐竜」のシーンに力が入っていて、見応えがありました。
また、オープニングとエンディングで流された「進化」を感じさせてくれる映像も素晴らしい。
 


進化」は、「突然変異」と「自然選択」によって、ゆっくりと、しかし早く起こります。

突然変異」は、少し違った形質の個体が生まれること。
今回で言えば、「キュー」の誕生がそれにあたります。

自然選択」は、その少し違った個体の形質が受け継がれ、その方が有利な場合に多く生き残ることで、その形質を持った個体が増えていくこと。
今回の物語では描かれていませんが、「キュー」の子どもたちが、「キュー」と同じように羽ばたける体で生まれ、その子どもたちが多く生き残り、さらに羽ばたける子どもが増えていくことで、「進化」は進みます。



今回は、「突然変異」の話が中心で「自然選択」までは話が進まなかったので、「進化の瞬間」というセリフには、ちょっと違和感がありましたね。

 

この「自然選択」については、同じ「種」の中だけの話ではなく、様々な形質を持った生物がたくさんいることによって、

大量絶滅」を引き起こすような事象があっても、何らかの生物は生き残り、次の時代へと命が紡がれていくわけです。

 

生物多様性」というのは、その意味でも、とても重要なのです。

 



さて、せっかくなので、これだけで終わらせるのはもったいない。

ここからは、私が読んで面白かった、今回の映画に関連する本を、5冊紹介しましょう。



まずは、「鳥類」と「恐竜」の関係から。

恐竜」が「鳥類」であるならば、「鳥類」学者の視点から「恐竜」を考えることが出来るはず!

ということで、「鳥類」学者である著者が「恐竜」を考察していきます。

恐竜」は「渡り鳥」のように長距離移動をしたのか、どんな色だったのか、どんな鳴き声だったのか...

鳥類」としての「恐竜」の話はどこまでも広がります。

専門的なのに楽しく読める、素晴らしい名著です。

 


進化」についてはこちら。

人間」は、「人間」のことを「進化」した生物と考えがちですが、

進化」を正しく考えると、そうではないことに気付けます。

人間」は、「考える」という特長を持った、動物の1種に過ないのです。

その証拠に...と、「肺」や「心臓」「目」の仕組みについて、「残酷な進化」の話が展開します。

難しい内容ですが、非常に読みやすく分かりやすい。

是非手に取ってみてください。

 


今、「恐竜」について学びたいと思っている人で、小林先生の名前を知らない人はいないでしょう。

色々な著作、監修されている本がありますが、これは別格に面白い。

ハリウッド映画を思わせるような、「恐竜」をめぐる冒険活劇。

しかもフィクションでなく、実話なのです。

恐竜」発掘の大変さも、見つけた時のワクワクも、夢を見ることの大切さも、全部この本に詰まっています。

 


そして、もう一冊「進化」の本です。

もともとが海外の本なので、イラストやレイアウトに最初違和感があるかもしれませんが、

読めば読むほど引き込まれる、不思議な「進化」の物語。

監修者に郡司芽久先生。

ちょっと背伸びをして、「進化」について知りたいけど、普通の書籍だと難しいな、というみなさんにおススメです。

 


最後に紹介する本は、SF小説です。

 

今、我々が生きていられるのは、空気中に酸素があるおかげです。

しかし、かつての地球にどれほどの酸素があったでしょうか。

もし、酸素がこれほどになければ、他の生命進化の過程があったのかもしれません。

小説としても面白いのですが、読後、少し不思議なことを考えさせられます。

読みやすい物語ですので、少し時間のある時にでも読んでみてはいかがでしょうか。

 


 今では、兵庫県でも実際の恐竜化石に触れることが出来ます。

 


  

(写真は「ちーたんの館」より)


 映画を観るだけで終わらせず、実際の恐竜化石に触れてみるきっかけにしてみても楽しいですね。

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