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【サイエンスショー裏話】「時間のけんきゅう」オトナ版
- 03_自由研究,理科
SDGsアドバイザーが講師をつとめる、兵庫県の理科実験教室、キッズアース播磨町校です。

過去に何度か実施させて頂いております「時間のけんきゅう」。
6月10日の「時の記念日」を前に、「あかねカレッジ」にて、明石市民の方にお話をしてきました。
このblogでは、いつも全体の流れをお話してきましたが、今回は「燃焼時計」について少し深くお話したいと思います。
【燃焼時計】
「燃焼時計」で分かりやすいのは、ロウソクを使った時計です。


(写真はいずれも 燃焼時計の誕生 | THE SEIKO MUSEUM GINZA セイコーミュージアム 銀座 より)
ロウソクは一定のスピードで燃えるので、どこまで燃えたかで、時間をはかることが出来る、という仕組みです。
右の写真はランプ時計。
ランプオイルを入れるところをガラス張りにしておけば、どれだけ減ったかで燃焼した時間が分かります。
材質が均一であり、燃えている間に周囲の環境が変わらなければ、燃えるスピードはほぼ一定のはずなので、時間をはかるには良い方法ですね。
【香盤時計と仏教】
さて、私も、以前、どこかのお寺で見たことがあり、おそらく写真も撮ったと思うのですが、どこで見たかが思い出せず…さて、どこで見たものやら、なのですが、「香盤時計」という、お寺さんなどで使われる時計の一種を紹介いたします。
これは明石市立天文科学館で撮影したもの。
灰の上に一筆書きの模様の入った型を載せ、型に沿って香を固め、これに火をつけると、お香が一定のスピードで燃えますので、目盛りをつけて時計として使うのです。
時間がきたら香りが変わる、なんてオシャレな使い方や、ある場所に来ると糸が焼き切れて鈴が落ち、時間を知らせる、なんて使い方もあったそうです。
去年、小学生相手にお話をした時に、ダメもとで、”見たことあるか“と聞きましたら、「見たことある!おばあちゃんが毎日作っている!」というお子さんがおり、びっくりしました。
セイコーミュージアムさんで紹介されている、「作っている」動画はこちらです。
仏具屋さんで買うことも出来ます。
まぁ、これはかなりの高級品で、安いものだと5万円台から…いやはや、お寺さんの経営も大変です。
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宗派による模様の違いもあるそうで、高野山では梵字を象った一筆書きに香を詰めるそうです。
常香盤の実験工作、面白そうなので、やってみたいですね。
【線香時計】
常香盤でなくとも、普通のお線香や蚊取り線香でも時間をはかることは出来そうです。
時計の博物館 THE SEIKO MUSEUM GINZA セイコーミュージアム 銀座さんのサイトでは「線香時計 」が、下記の写真とともに紹介されています。

線香をたくさん立てることが出来るようになっている、不思議なつくりです。
さて、落語の演目に「立切れ線香」、あるいは「たちきり」「たちぎれ」というものがあります。
ジャンプ連載中の落語マンガ『あかね噺』では、主人公の兄弟子が披露しておりました(単行本13巻収録)
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『あかね噺』は、落語界を舞台にした、非常に面白い話で…となると脱線になりますので、今回は割愛。
話を戻して、この「立切れ線香」のお噺の中で紹介されていますが、かつて、いわゆる花街では、お線香を買いまして、その線香1本が立ち消えるまでの時間、芸者さんと遊ぶことが出来たとか。
芸者さんの側では、これで給与が計算されたということです。
さきほどの写真の線香時計、このための「時計」なのです。
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ちなみに、この線香、とても高価なもので、今の金額に換算すると、江戸時代は線香1本30分2万円というのが相場。
もちろん、お線香自体が高価なわけではなく、いわば「遊び賃」として、高く売られていたわけです。
そして、1本30分の間、場を持たせることが出来れば一人前とされ、これが「一本立ち」の語源とのこと。
ここまで聞いて、
“ははぁ、分かった、線香が高い金額で売買されるのを見て、線香自体が高いと思い込む噺だね”と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
落語には、そういうネタのお話もありますが、この「立切れ線香」は、そうではなく、人情噺として、全く別のオチが用意されております。
公式で公開されている落語では、林家菊丸さんの「立ち切れ線香」がありました。
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日頃は小学生対象でお話をしていますので、さすがに色街を舞台にした「線香時計」のお話をする機会はなかなかありません。
まぁ、今回は大人向けだった、というのもあるのですが、実は、「お香を使った時計を見たことありますか?」とお伺いしたところ、おずおずと手を挙げられた方が、いらっしゃいまして。
“どちらでお見掛けになられたんですか?”
「京都で」
”さすが京都ですね。どちらの寺院さんですか?“
「いや、お寺さんではなくて」
“神社仏閣ではない?”
「ええ、置き屋さんで」
という話になったのです。
まさに、リアル「立切れ線香」!
今でも、花街では、線香で時間がはかられているのですね。
長いお話となりましたが、ここらで、私の線香も立切れとなりそうですので、失礼いたします。
「燃焼時計と立切れ線香」の一席でしたm(__)m
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